第5章





「何て威力のある球だ・・・」
アフロが投じた球を受け取った真弓は
しばらく手のシビレが引かなかった。


「真弓、お前の知り合いかか?」セカンドを守っていた窪田 孔明が
真弓に声をかけた。しかし真弓には全く心あたりが無い。
「誰なんだろう、只者じゃなさそうだな」窪田はそう言うと
アフロ達がいるどてに歩いていった。


「君達どこの高校生だ?」窪田の呼びかけにしんへいが

「パワラン学園だが、何か?」と答えた。





パワラン学園・・・
去年の夏、全国制覇したあの名門校か!
窪田は驚いた。





窪田「パワラン学園か。 知ってるよ今年も秋の地方大会で優勝したようだね」
「うちも秋の大会は優勝した。来年の選抜ではひょっとしたら顔を合わせるかも知れないね」


野球に詳しくないしんへいは窪田の言ってる事がチンプンカンプンだったが
「おう!、その時顔合わせたらボコボコにしてくれよう!」などと訳の分からない言葉を返した。


「面白い事をいうな〜君は」窪田は軽く受け流したが
その言葉を
対戦した時には試合でボコボコにやっつけてくれようと解釈し
しんへいとアフロの事をパワラン学園の野球部のメンバーだと
思い込んだ。(一応野球部ではあるのだろうけど・・・)


「そうかパワラン学園の野球部のメンバーか!」そして
窪田は先ほど凄い球を投げて見せたアフロの事を
パワラン野球部のエースピッチャーCOORS(1軍)だとてっきり思い込んだ


こいつがCOORSか・・・
よし丁度いい機会だ一つお手並み拝見といくか。








「せっかくここまで来たんだ。俺と勝負していかないか!」








窪田はアフロに勝負を挑んだ。

しんへい「アフロ、お前タイマン申し込まれてんじゃねぇ〜のか?」

アフロ「これタイマンじゃねぇ〜だろ、野球対決だろ」

しんへいはアフロが野球出来るのか少し疑問があった。
「お前、野球出来るのかよ?」

「まぁ〜ピッチングだけならな」そう言うとアフロはグランドに降りていった。

「石垣キャッチャー頼む!」窪田はそう言ってバッターボックスに立った。








そしてアフロはマウンドに・・・








窪田「来い! COORS! 全力で投げてみろ!」

アフロは何の事だか???でCOORSって変化球でも投げろって言ってるのかと思った。

アフロ「COORSは投げられん!」

窪田もアフロの返答に「???」だった。


また会話が噛み合っていないようだ・・・


何を言ってるんだろうあいつは・・・心理作戦か?
まあいい。とにかく奴は直球で勝負してくる。
タイミングさえ捕らえれば・・・


アフロはマウンド上でまた大きく振りかぶり
足を高々と蹴り上げ全身のバネを使って思いっきり投げた!


ボゴ!と言う鈍い音がグラウンドに響いた
窪田のバットは空を切りキャッチャーの石垣がその球をキャッチしきれず
キャッチャーマスクにボールがめり込んでいた。


アフロが投げた球は窪田が出したバットの手前から一気にホップしていった。
そのホップにキャッチャーの石垣が反応しきれなかったのだ。
石垣は完全に気を失いぶっ倒れていた。


「大丈夫か石垣!」ナインが心配して集まってきた。


「なんかやばそうだな〜」そう思ったアフロはしんへいを呼び
ハーレーに跨った。


「悪り〜な! そっちから勝負を申し込んだんだ! 俺しらないよ〜! ば〜い!」
アフロはそう言い残し爆音を残し農業大縁を後にした。










「誰か今の球、スピードガンで計測したか?」
フェンスの裏でスピードガンを持っていた部員が答えた









「155kmです!!」


な、なに〜〜!