エピローグ
〜春の甲子園大会が始まる2週間前〜
「みんなちょっと来てくれ〜!」
アロハーがグランドで練習中の4軍ナインをベンチ前に呼びよせた。
「RevevとBIGも戻ってなんとかこれで9人揃った訳だ」
アロハーはそう言うと来週、早速練習試合を予定している事をナインに告げた。
しんへい「で、対戦相手はどこ?」
アロハーの口から対戦相手が告げられた。
「去年の春の甲子園の優勝チーム***高校だ!」
「おいおい! いきなりかよ〜」みんな一瞬驚きはしたものの、
やる気満々の様子で更に練習に熱が入った。
そして練習試合の日がやって来た。
試合が始まる前に、はなコーチから各自に試合用のユニフォームが渡された。
ユニフォームの背にはそれぞれ、
しんへい 2
ヨウ 3
ガンク 4
ZET 5
ゆう 6
Reven
7
トンマ 8
BIG 9
が背番号として付いていた。
しかし、何故かアフロのユニホームが見当たらず、
「何で俺のユニホームだけないんだよ〜!」とぼやいていると
「お前のはこれだ」と、アロハーが自分のバックからユニフォームを取り出しアフロに向けて投げ渡した。
空中でひるがえったそのユニホームの背には14番が刻まれていた。
アロハーが現役時代に付けていた14番を抜き取ってアフロのユニフォームに貼り付けたものだった。
それをしっかりと掴み取ったアフロは、
その14番をしみじみと眺め
袖に手を通し
みんなが待つグランド中央の小高い丘に
駆けて行った。
その後ろ姿をじっと見ていたアロハーの脳裏に
幼き日のアフロとの出会いが鮮明に浮かんできた。
(このフォーム、そんなに気に入ったか?)
(僕にその投げ方教えてくれよ〜)
成長したな坊主
14番、確かにお前に渡したぞ
これからはお前がその14番を背おって
剛球伝説を再び蘇らせてみろ
そしてグラウンドでは
今まさに
新たな
背番号14の剛球伝説が
始まろうとしていた
プレイボールと共に
アフロの足が
高々と蹴り上げられた
完
〜遥かな夢〜
剛球伝説「背番号14」
By アロハー
沢村栄治投手の投球フォームを記録した数少ない映像写真
これは軽くキャッチボールしている練習風景だが
彼が全力で投球している姿は
残念ながら記録として残っていない。