第2章





10月ともなるとさすがに日が暮れるのも早く、
国道も水銀灯が煌々とアスファルトを照らす。


1台のバイクのヘッドライトが
鈍い低音の単調なリズムをきざみながら直進してくる。


その独特の排気音は、
ハーレー特有のX形2気等エンジンのそれだと
バイク通なら直ぐに分かる。


信号待ちで既に停車していた1台のバイクの横に
ハーレーが後ろからやってきた。


止まっているバイクの方は
見るからに暴走族のそれと分かる仕様で、
またがっているもの学ラン姿の高校生。
「ん? ハレーじゃん」学生は横に並んだバイクに
目がいった。


ハーレーのライダーも学生のバイクに目がいった。
「ん? しゃばいバイクじゃん」
お互い心の中でそうつぶやいた。


2人は目を合わす事も無く
信号が青に変わり2台のバイクは発進した。


威勢よく飛び出したのは
言うまでも無く高校生のバイク。


しかし次の路地からいきなり車が飛び出してきた!









!!!ヤバイ、かなりヤバイ








高校生の脳裏に緊迫感が走った!

「ジェット噴射だ〜!」でこの場を回避したいとこだがこれはS☆Jでは無い。

彼は考えるよりも先にバイクをコントロールしていた。



アロハー「ほう、 あいつ凄いな」

そう

後ろを走っていたハーレーに乗っているのは、
パワラン学園野球部監督の、あのおやじだった。




高校生はとっさに飛び出した車を、巧みなバランス感覚とアクセルコントロールで
間一髪かわして過ぎ去っていった。










アフロ「やばかっやな今のは・・・」











彼の名をアフロと言う。
パワラン学園の1年生である。

学生服を見て気がついたアロハーがバイクに近寄り
止まるように左手で合図を出した。



「ん? 何だろう」



アフロは少し戸惑ったものの
前からハーレーに関心を持っていた彼は、
素直に指示に従い
バイクを道路の脇に止めた。


「お前、危なかったな今の」
「しかしあれをやり過ごすとは大したテクだぜ」
「あの状況であの切り返しが出来るとは、人並み外れたバランス感覚と強靭な手首のスナップ力が無いと無理だな」


そう見ず知らずのライダーから言われて、少し気分のいいアフロ。
「ま〜大した事ないさ」
そう言いながらも
自慢げにふんずりかえっているその態度は


さっきの見たのかよ、凄かっただろ!


としっかりアピールしていた。


「いや〜凄い凄い!」アロハーに持ち上げられすっかり上機嫌になった高校生は、
バイクから降りアロハーのハーレーに見入りだした。


「おっさんのバイクもすげ〜よ ハーレーじゃん」とアフロは自分が以前から
熱烈なハーレーファンだという事を語り出した。


「そんなにハーレーが好きなのか〜」












ハーレー欲しいか?












アロハーの唐突な質問に驚いたアフロは、
「欲しいさ〜、まさか俺にくれるなんていう訳ないよな、おっさん」
ヨダレを出しながら答えた。


「よし! お前に俺のハーレーくれてやる!」

とアロハーはいともあっさりと答えた。




「へ? まじかよ?」アフロの目が点になっている。


「但し一つだけ条件がある」とアロハーは言うと、
自分がアフロと同じ高校の野球部の監督である事を伝え次のような事を彼に言った。











「お前、うちの野球部の4軍に入んな!
 明日、入部届け出しにこい
 その時ハーレーくれてやる!」










「おいおい、マジかよ そんなんでハーレーくれるのなら早速明日
 入部届け出しにしくぜ〜!」そう言い残し喜び勇んでアフロは去っていった。














次の日
入部届けをアロハーに手渡したアフロが
変わりに受け取ったハーレーは、












プラモデルだった!










「あのおやじ〜
ぶっ殺してやる」

とつぶやきながら部室を後にするアフロであった。










ゆう「おい、今すれ違ったの、確か1年のアフロじゃないか?」
アフロは1年だがその悪ぶりは、既に2年の悪どもにも目を付けられていた。


「ちょっと待て」としんへいが何かメモ帳らしき物を学ランの内ポケットから取り出した。


表紙に《しんへいタイマンリスト》と書かれたそのメモ帳を開き
「こいつだな」とリストを指差した。


そこには
絶対ぶっとばすぞ度=Aでアフロの名が記載されていた。
その下には()でぶっ飛ばしたい理由も書かれていた。


(理由:俺より2枚目なのが気にいらね〜)

身長174a 体重56`
髪型は短めで立たせている。
ちなみに色は黒に水色のメッシュ。
顔つきはジャニーズ系で・・・











しんへいが吉本系なのは言うまでも無い。













ヨウ「でも、あいつ何でプラモの箱なんか持っていたんだ?」

ゆう「ひょっとして、お宅なのか?」

しんへい「俺はお宅なんかじゃ〜ね〜ぞ! アニメイトなんか行かね〜ぞ!」

ガンク「誰もお前の事言ってないんだってば」

ほっとしたしんへいは心の中で密かにつぶやいた





以下しんへいHPの日記≪戯言≫ より抜粋

まあ、俺の部屋にはアニメの主題歌とかキャラクターソングとかサントラとかドラマCDしか無いワケですよ。(全部言った)

で、まあそんな俺が「今MD聴いてる」って言うと必ず返ってくる言葉が「何のアニソン?」とかそんなのばっかりなんですよ。

そんでもって、そんな俺が今「Wonderful Life」を聴いてるワケです。











もしかして逆に退かれてる?











イヤ、俺だって普通のJ-POPとか洋楽とかそういうのも聴きたいワケなんですよ。

だって最近いい曲多いでしょ?

さっきだってオレンジレンジの「ミチシルベ 〜a road home〜」を聴いていたのです。

上戸彩の「愛のために。」とかも結構気に入ってるし。

ですから、私はそんなにオタクじゃないんです。

確かにポスターはありますけど。

フィギュアもありますけど。

まあ、そこで落ち着いて考えてみました。

で、1つの結論に辿り着きました。

そうなんです。














結局何かの主題

しんへいHPの日記≪戯言≫ より抜粋