第10章〜甲子園編2〜





試合開始のサイレンともに審判がプレイを告げ
大会準決勝が始まった。

実況「ああ〜と!これは一体どういう事でしょう!
パワラン学園捕手のしんへい君がいきなり立ち上がった。





先頭バッターに対していきなり敬遠です!!





試合開始でいきなり敬遠とは!
こんな光景私は始めて見ました!!
解説のやまさん、これは一体・・・」



やま「いや〜私にも全く理解出来ません。
なんの為の敬遠なのか、全く意味の無い敬遠としか思えませんが・・・」




それは野球史上に於いて誰も見たことが無かった先頭バッター敬遠であった。




「フォアボール」審判の指示で先頭バッター 矢上は難なく1塁に出塁。
迎えるバッターは2番 南



実況「ああ〜と! 

パワランバッテリーまたしても敬遠の構えです!

やまさん、パワラン学園のはな監督は一体何を考えているのでしょうか?」



やま「いや〜理解に苦しみます・・・」



アフロはキャッチボールをするかのように立ち上がったしんへいに4球ボールを投げた。




いきなりランナー1〜2塁の先制のチャンスが転がり込んだ農業大縁。

ここで迎えるバッターは今大会屈指のスラッガー窪田

窪田はあの日以来、アフロと再び対決する事を心の底から楽しみにしていた。










窪田「そうか、アフロよ。 そんなに俺と対決したかったのか。
臨む所だ、全力でかかってこい!!















おお〜と3番の窪田君も敬遠だ〜!!



窪田「へ? 何で・・・ 何でだよ〜〜! 俺をバカにしているのかよ〜!!



1回表からいきなりノーアウト満塁のピンチを迎えたパワラン学園。


次のバッターはこれまた強打者4番 嵐



ノーアウト満塁だと言うのにパワランナインには全く焦りが見られない。
それどころかこの状況を楽しんでいるかのような余裕すら感じられた。


しんへい「へへへ、はなの兄貴よ、おもろいで〜、おもしろずぎるこの作戦
さぁ〜! いくよ! 逝っちゃうよ!!」



「おう!」とか「ブイブイ言わしたろか〜!」と言う声が守っているナイン達から返ってきた。