【文化・アートをRethinkせよ】山口周と波頭亮が、日本の未来を見つめ直す。
波頭亮 経営コンサルタント・経済評論家
山口周 独立研究者・経営コンサルタント
若くして起業を目指す若者達に是非見て良く考えて欲しい対談動画。対談の冒頭で山口氏は経済について次のように語る。(再生をクリックしたら再生タイム 3:05から再生がスタートし3:57で再生が止まる)
<再生タイム 3:05~3:57>
ここで山口氏は、「先進国では需要の飽和が起きている。」と述べているが、経済における「需要と供給」の関係性について少しお話しします。
需要には絶対的ニーズと相対的ニーズとがあります。
絶対とは比較対象することなく、自身にとって生きていくうえで最低限必要なという意味で、それに対し相対は他者と比較することで起こるといった意味です。
日本は戦後、食べるものすら無い貧困の時代から、物にあふれた豊かな国へと成長を遂げました。生きていく為に必要なものは既に十分すぎる程に揃っています。経済は本来、「国民が豊かな暮らしが出来る為の経済」であり、既にその目的である絶対的ニーズは十分すぎる程達成されている。
にもかかわらず、さらに経済を伸ばしていこうとすると相対的ニーズを刺激するしかない。他者よりも良い車に乗りたいとか、人よりも良い服が買いたいとか、といった人間が持っている「欲」の部分を刺激する経済が、今日の日本の経済の目的に成り果ててしまっている訳です。
インターネット時代の到来をビジネスチャンスと捉えて起業を目指す若者達が後を絶ちません。しかしそうして立ち上げられた企業の10年後の生存率は、5割にも達していません。
最近、起業を目指す若者に向けたコーチングやセミナー形式のビジネス産業が流行っていたりもしますが、若者達の「欲」をうまいこと刺激した経済の本来の意味や目的を見失った現代日本経済のあらわれだと私は思います。
そのことを山口氏は、次のような言葉で表現しています。(再生タイム 12:20~15:26)
ここでの山口氏の言葉は、氏がよく口にする「経済合理性の限界」と深く関わってくる話なのでそこのところを別動画で紹介しましょう。
(再生タイム 20:08~29:11)
つづく
By アロハー